老年歯科医学
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老人病院における歯科受診と患者調査
増田 元三郎松崎 登一海野 智中島 敏之北原 信夫
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1991 年 5 巻 1 号 p. 92-96

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抄録
近年, 老年人口増加にともない老人病院に入院する老人が増えてきている。われわれは, 当老人病院における歯科受診患者の調査をおこない, 老人病院における歯科の意義について検討した。
対象は1989年6月より1年間に入院した患者のうち歯科を受診した49名とした。
性別では男20名女29名と女性がやや多く, 年齢は43歳から93歳までに分布していた。80歳代が最も多かった。歯科患者の占める割合は, 年間入院患者数に対しては18.6%, 病床数に対しては11%であった。
これらの患者の基礎疾患は脳血管障害が最も多く全体の36%を占め, ついで神経疾患が21%, 循環器疾患が18%で, その他にリウマチ性疾患が8%, 内分泌疾患が6%, 代謝性疾患と腎疾患が4%, 肝疾患などが認められた。
日常生活における全身評価では聴力は60%以上に難聴がみとめられ, 視力は55%以上に障害が認められ, 会話では, 37%に困難, 26%に会話不能が認められた。歩行に関しては, ほとんどの患者に麻痺があり, 76%車椅子で来科していた。
口腔内は, 無歯顎が39%を占め, 残存歯が上下顎で10本未満の患者と合わせると82%を占めていた。口腔衛生状態は悪く, 治療の多くは, C4や歯周病に起因する抜歯後の義歯調製であった。
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© 一般社団法人 日本老年歯科医学会
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