2007 年 45 巻 5 号 p. 522-525
Diffuse esophageal spasm(以下, DES)1)~3)は食道アカラシアと類似し, 嚥下時胸痛や嚥下困難を主訴とする原因不明の機能的疾患である。汎発性食道痙攣, 広汎性食道痙攣, びまん性食道痙攣などと呼称されることもある。逆流性食道炎や食道癌などの器質的疾患に比べて必ずしも充分に認識されておらず, 人口50万人に1人の罹患頻度とされている4),5)。著者らはDESに0-IIc型食道癌を合併した1例を経験したので, 若干の文献的考察を加えて報告する。