真庭市医師会(旧真庭郡医師会)は昭和41年から胃集団検診を開始してきたが, 受診者の減少, 受診者の固定化, 高齢化および検診車の老朽化などに対応する目的で, 平成16年度からペプシノゲン(PG)法と間接X線法を併用した異時2段階法による胃がん検診を導入した。検診は第1段階として基本健康診査に併せてPG測定を行い, 第2段階としてPG法陽性者には上部消化管内視鏡あるいは直接X線検査, PG法陰性者には間接X線検査の勧奨を行った。平成16年度の検診受診者総数は5,286名(PG法:3,949名, 間接X線単独法:1,337名)であり, 前年度受診者総数3,695名に比べ増加した。PG法での要精検率は24.1%であり, 発見胃がん数は15名(全例PG法発見胃がん, うち早期がん8名)であり, PG法受診者に対するがん発見率は0.38%となり, これまでの発見率(平成15年度0.19%)と比較し著しく上昇した。一方, 精検受診率は67.9%であり, 前年度の精検受診率(73.0%)と比較し低下した。今後, 精度管理向上のためにPG法の有用性について住民へより一層啓蒙し, 精検受診率を向上していくことが重要と考えられた。
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