抄録
国の政策として施行されたがん対策基本法は, 今後のがん撲滅事業に大いに寄与することが期待されている。日本におけるがん検診の歴史は古く, 胃がんや子宮がんでは著名な死亡率低下をもたらし, 現在は, 誰でもその効果を認めるところである。しかし, 特に対策型の検診方法については, 非常に多くの集団を対象とするため, 根拠に基づいた評価が必要であり, すでに国立がんセンターの情報部より, 各種のがん検診に関するガイドラインが提出されている。今回はそのうちの消化器がん検診について, 現状と問題点を挙げ, その対策と今後の展望を検討してみた。がんに対する診断, 治療の進歩は目覚しく, 多くの医療スタッフは最先端医療に目を奪われがちであるが, 検診という基盤に支えられて発展してきた事実を忘れてはならない。医師とコメディカルとの連携, 格差のない精度管理など, 基本に返った考え方を再考することで明るい未来は開けると信じている。