抄録
表在食道癌拾い上げ診断におけるヨード染色法の有用性はよく知られているが, 刺激性の問題などのため全スクリーニング検査に実施するには困難な面もあった。近年通常光観察に比べ微小血管の視認性が向上した狭帯域内視鏡システム(NBI)が市販された。NBIでは癌部は遠景観察で褐色域として描出され, 通常観察よりも病変の視認性が向上している。今回我々は, 食道表在癌に対する, 通常内視鏡観察, 拡大観察を併用しないNBI遠景観察法とヨード染色法の比較検討を行った。
食道癌ハイリスク症例55症例からルゴール不染部位123カ所の生検が施行された。うちNBI認識可能部位は58カ所であった。6症例7病変の扁平上皮癌が検出され, いずれもルゴール不染かつNBIで認識可能だった。癌の検出において両法を比較すると, 感度は同等かつ, NBIの方が特異度と陽性反応的中率がヨード染色法より優れていた。