抄録
平成19年4月, がん対策基本法が施行された。その中で示された基本的な施策は, がん検診受診率を50%に向上させ, 10年以内に年齢調整がん死亡率を20%減少させるとうたっている。この計画を実現するためには, がん検診に関する評価の科学的検証をする必要がある。本講演では, がん検診とは, スクリーニングの特性, 役に立つ検査とは, 並行検査と連続検査, 感度, 特異度と陽性反応的中度との関係などについて基本的なことを中心に述べた。検診精度に関してもTest SensitivityとProgram Sensitivityがあり, 両者の精度を上げることががん死亡率20%減少への目標が達成できる近道であろう。