日本消化器がん検診学会雑誌
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原著
偽陰性率からみた多施設内視鏡胃がん個別検診の適正な撮影枚数の検討
萩原 廣明山下 由起子八木 茂小板橋 毅石田 稔関口 利和茂木 文孝
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2010 年 48 巻 3 号 p. 355-361

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抄録

前橋市内視鏡胃がん個別検診参加施設のうち, 平成18, 19年度に計100件以上の内視鏡検診を実施した66施設の胃内撮影枚数と偽陰性率から適正な撮影枚数の検討を行なった。胃内撮影枚数から16mmフィルム施設, 14~20枚施設, 20~24枚施設, 24~28枚施設, 28枚以上施設の5群に分類すると, 偽陰性率はそれぞれ55.9%, 37.5%, 22.2%, 21.7%, 33.3%, 見逃し率は, それぞれ38.2%, 25.0%, 9.7%, 8.7%, 16.7%, 未撮影率は, それぞれ31.6%, 11.1%, 12.5%, 0.0%, 33.3%となり, いずれも24~28枚施設が最も低かった。この結果から24~28枚施設の撮影枚数に喉頭1枚, 食道3~4枚, 十二指腸2~3枚の撮影を加えた30~36枚撮影が, 偽陰性率からみた最も適正な撮影枚数と考えられた。

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© 2010 一般社団法人 日本消化器がん検診学会
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