抄録
【目的】胃がんリスク評価で精検対象外とされるA群に高度胃粘膜萎縮を伴った胃癌例の混入があることから, ペプシノゲン(PG)法のカットオフ値を再検討した。【方法】対象1は当院健診センターで内視鏡検診を受けた761例, 対象2は地域医師会にてリスク評価を受け, 当院で内視鏡検査を受けた186例。木村・竹本分類O2以上を高度萎縮と定義した。【成績】PG法基準値(PGI≦70ng/mlかつPGI/II比≦3)は対象1のHp抗体陰性例では高度萎縮に対して感度56%, 特異度99%, 対象2では感度44%, 特異度93%であった。Hp抗体陰性例の高度萎縮に対する至適カットオフ値をROC解析や判別式で求めると対象1でPGI≦37ng/ml, 感度88%, 特異度81%, 対象2で判別式(0.009PGI+0.321PGI/II比≦1.9), 感度100%, 特異度80%であった。【結論】高度萎縮の判別に適したPG法カットオフ値を用いて, Hp抗体陰性例をA群とD群に分けることでリスク評価の胃癌に対する感度が向上する可能性がある。