抄録
福井県における胃がん集団検診受診者(新撮影法導入前年の2003年:31,184人と新撮影法が定着した2006年:29,377人)を福井県がん登録と照合し, 受診後1年以内に判明した胃がんを把握した。偽陰性を翌年検診発見例と検診外発見例の合計と定義すると, 従来法の2003年は感度58.8%, 特異度84.5%, 5年累積生存率は真陽性例84.2%, 偽陰性例72.0%, 新撮影法の2006年は感度62.7%, 特異度89.5%, 5年累積生存率は真陽性例86.0%, 偽陰性例80.1%であった。2006年の特異度は2003年より有意に高くなっていたが, その原因は撮影法の変更に加えて, 新撮影法導入時より行った要精検率引き下げの指導も寄与したと考えられる。今回の検討では撮影法を変更しても感度の有意の改善は見られなかった。今後も引き続き検診外発見例の把握と特徴の分析を行い, 検診精度の向上に努めていく必要がある。