日本消化器がん検診学会雑誌
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原著
対策型胃がん検診への胃がんリスク評価(ABC分類)の導入─岡山県真庭市における現状と問題点─
近藤 秀則米田 昌道井上 和彦
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2015 年 53 巻 5 号 p. 589-599

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抄録
岡山県真庭市では, 対策型胃がん検診として2011年度から胃がんリスク評価(ABC分類)を基盤とした地域胃がん検診システムを導入した。2011年から2013年まで3年間の健康診査受診者数は14,476人で, うち本検診受診者数は3,089人(受診率21.3%)であった。ABC分類として, 従来のB群をB-1群(PGII<30ng/ml)とB-2群(PGII≧30ng/ml)に細分類し, B-2群をC群と共に高リスク群とした。B-2群・C群は合計1,053人(34.1%)であり, そのうち二次検査受診率は41.8%であった。その結果, 3年間における発見胃癌は8例で, すべて早期胃癌(M癌7例, SM癌1例)であった。ABC分類の内訳としては, B-1群1例, B-2群1例, C群6例であった。
ABC分類を基盤とした本検診は, 早期胃癌を効率的に発見できる有用な検診システムであることが示唆された。問題点として, 高リスク群の精検受診率がまだ低く, 今後も住民に対する胃がんリスク評価の正しい啓発が必要である。本検診は, 単年度完結型の従来のがん検診システムとは異なり複数年度にわたるものであるため, 複数年度にわたる検診システムの管理体制の充実が重要である。
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© 2015 一般社団法人 日本消化器がん検診学会
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