日本消化器がん検診学会雑誌
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原著
慢性胃炎を考慮した胃X線検診, 内視鏡検診導入に向けた取り組み ─内視鏡専門医に対するアンケートを通して
吉澤 和哉大泉 晴史阿部 靖彦佐々木 悠武田 弘明上野 義之
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2017 年 55 巻 5 号 p. 647-657

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抄録

2015年に本学会より胃X線検診の新しい読影区分・管理区分が答申され, これまでは「異常なし」としていたHelicobacter pylori感染による慢性胃炎を対策型検診でも判読することが必要となった。山形県医師会では県内各地での研修会や機関紙で, 胃X線造影検査による慢性胃炎診断の普及に努めてきた。また, 「有効性評価に基づく胃がん検診ガイドライン」が2014年に改訂され, “胃内視鏡検査が対策型検診あるいは任意型検診のいずれでも推奨”とされた。今回, 県内の日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医に対してアンケートを行ったところ, 80%以上の専門医が慢性胃炎診断および受検者への通知が妥当・ある程度妥当と答えた。また, 胃内視鏡検診については, 90%以上の専門医が妥当・ある程度妥当と答えたものの, 本県全地域で内視鏡検診が可能と答えたのは17%のみで, 半数以上は条件を限れば可能と答えた。

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© 2017 一般社団法人 日本消化器がん検診学会
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