日本消化器がん検診学会雑誌
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大腸CT検査で発見されたポリープの取り扱い:実臨床における検討
愛澤 正人歌野 健一根本 大樹高柳 大輔五十畑 則之遠藤 俊吾冨樫 一智
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2018 年 56 巻 6 号 p. 991-998

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抄録

【目的】当院で行われた大腸CT検査の成績に基づき, 大腸CT検査で発見されたポリープの取り扱いを検討する。
【方法】精密検査目的に大腸CT検査を施行した539名(男性223名, 女性316名, 平均69.7歳)を対象に検査の現状を調査した。検査不良率は, 検査不良数÷全検査数で算出した。1年以内に大腸内視鏡検査を受けた場合には, 患者別, 病変別に検査精度を算出し, 大腸CT検査で発見された病変の取扱いを検討した。
【成績】大腸CT検査の検査不良率は1.1%(6/539)であった。1年以内に102名が大腸内視鏡検査を受けた。10mm以上のポリープを認めた患者の大腸内視鏡検査受診率は90%(38/42)であった。10mm以上の患者別成績は, 感度92%(35/38), 特異度89%(57/64), 病変別では感度88%(44/50), 陽性適中度86%(44/51)であった。大腸CT検査で6-9mmの病変を指摘された18%(5/28)に粘膜内がん及び高度異型腺腫を認めた。
【結論】実臨床における大腸CT検査の診断能は高かった。6mm以上の病変を認めた場合は, 大腸内視鏡検査が必要と考えられた。

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© 2018 一般社団法人 日本消化器がん検診学会
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