日本消化器がん検診学会雑誌
Online ISSN : 2185-1190
Print ISSN : 1880-7666
ISSN-L : 1880-7666
経験
超音波検査の検査時間と記録枚数についての検討 ─精密検査症例において─
若杉 聡佐藤 晋一郎山崎 信義
著者情報
ジャーナル フリー

2019 年 57 巻 1 号 p. 56-66

詳細
抄録

超音波検査の際に記録する画像の枚数と検査時間の関係を検討した。2017年5月25日~7月25日に行った50例(腹部超音波検診判定マニュアルのカテゴリー1が2例, カテゴリー2が18例, カテゴリー3が6例, カテゴリー4が11例, カテゴリー5が12例, カテゴリー4’が1例)の精密超音波検査症例について, 標準観察(大動脈, 肝, 胆道, 膵, 脾, 腎の観察)の時間と記録枚数, 全体観察(標準観察+精密観察)の時間と記録枚数を検討した。標準観察の時間は9分から47分(平均16分), 記録枚数は20枚から188枚(平均64枚)であった。全体観察の観察時間は, 11分から115分(平均20分), 記録枚数は22枚から632枚(平均125枚)であった。標準観察, 全体観察ともに, 記録枚数が増えるほど検査時間が長くなる傾向であった。症例のカテゴリー判定が高くなるほど標準観察の時間が長く, 記録枚数が多くなる傾向であった。しかし1分ごとの記録枚数は1.8枚から7.0枚(平均3枚)であった。これを参考にすると, スクリーニング検査の撮像枚数は, 1分あたり3枚であれば可能であると考えた。

著者関連情報
© 2019 一般社団法人 日本消化器がん検診学会
前の記事 次の記事
feedback
Top