2021 年 59 巻 5 号 p. 440-451
【目的】2016年2月の厚生労働省がん検診指針の改訂により,対策型胃内視鏡検診が実施可能となった。平等かつ安全で質の高い胃がん検診を提供する目的で,福井県の全県下(16市町)を対象に構築した胃内視鏡検診システムについて検証を行う。
【方法】2016~2018年度の胃内視鏡検診の総受診者数21,238名(男性8,933名,女性12,305名,40歳~99歳)のデータを検証・解析する。
【結果】要精検者2,196名,要精検率10.3%,精検受診率90.5%,発見胃がん119例(早期胃がん97例,進行胃がん22例),胃がん発見率0.56%,陽性反応的中度5.42%であった。先駆的に胃内視鏡検診を導入している自治体との比較では,要精検率,精検受診率,胃がん発見率,早期癌比率は同等以上の結果であったが,陽性反応的中度は低い傾向にあった。
【結語】全県下統一した対策型胃内視鏡検診システムは比較的スムーズに導入され,ダブルチェックの中央化の整備および精度管理も維持されているが,更なる精度管理,安全性および質の向上が必要である。