日本消化器がん検診学会雑誌
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原著
免疫学的便潜血陽性受診者における大腸advanced neoplasia陽性的中度に関与する因子
菅原 悦子藤田 剛松井 佐織森元 宏樹久禮 泉今田 祐子栃谷 四科子阿南 会美阿南 隆洋菅原 淳
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2021 年 59 巻 5 号 p. 473-484

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抄録

【目的】大腸がん検診における大腸advanced neoplasia(AN)高リスク群の臨床的特徴を明らかにすることを目的とした。

【方法】2014年1月から2016年12月までに当センターにて大腸がん検診を受け,免疫学的便潜血検査(FIT)が陽性であった3,779例のうち当院で全大腸内視鏡検査(CS)を受けた905例を対象に,ANに関与する臨床的特徴を多変量解析にて後ろ向きに調査した。

【結果】905例中148例(16.4%)にANを認めた。CS受検歴のない群(812例)のANに対するFITの陽性的中度(PPV)が18.1%であったのに対して,CS受検歴のある群(93例)でANを認めた例は1例のみで,PPVは1.1%と有意に低かった。CS受検歴のない812例を用いた多変量解析では,年齢60歳以上(OR 2.64,95%CI:1.78-3.95,P<0.001),高血圧あり(OR 1.62,95%CI:1.06-2.47,P=0.026),喫煙習慣あり(OR 1.77,95%CI:1.05-2.94,P=0.034),毎日の飲酒習慣あり(OR 1.63,95%CI:1.09-2.41,P=0.017),FIT値が259 ng/ml以上(OR 1.92,95%CI:1.31-2.83,P<0.001)の5因子がANに有意に関連するリスク因子であった。また,これらのリスク因子の保有数が多いほどANに対するFITのPPVは有意に増加した(保有数0のPPV 4.3%,保有数1のPPV 9.3%,保有数2≦のPPV 28.8%,保有数3≦のPPV 33.1%,保有数4≦のPPV 42.9%)。

【結語】大腸がん検診の有効性を高めるためにはCS受検歴のないANリスク因子を持つ要精検者への精査勧奨の推進が必要である。

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© 2021 一般社団法人 日本消化器がん検診学会
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