日本消化器がん検診学会雑誌
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総説
これから10年の胃がん検診に対応した胃癌病理学
市原 真
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2024 年 62 巻 6 号 p. 787-804

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抄録

検診発見胃がんの6割前後がHelicobacter pylori(以下, H. pylori)既感染胃であり, H. pylori未感染胃腫瘍の発見数も漸増している現状においては, 現感染胃の精緻な検討により構築された胃癌形態診断学をアップデートする必要がある。未感染胃には多彩な胃型腫瘍や, 腺頸部に限局する印環細胞癌, 幽門前庭部に発生する低異型度高分化管状腺癌/腺腫が部位特異的に発生するが, これらの多くは患者生命には影響しない。ただし食道胃接合部癌や, linitis plastica型の低分化腺癌も低確率で発生しうることに注意する。H. pyloriの感染によって腸型形質の混在と消化性潰瘍の合併が生じ, 発生部位と組織型とが対応しなくなった現感染胃癌に対しては, 分化型・未分化型の二大分類によって正常胃粘膜からの「かけ離れ」を捉える古典的形態診断学は今なお有効であり, 癌の浸潤に伴う線維化と消化性潰瘍に伴う線維化を弁別する技術が求められる。H. pylori除菌により病変の表層に非腫瘍粘膜などが被覆することで, かけ離れ=異型が表出しづらくなることに十全の注意を払う必要がある。

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© 2024 一般社団法人 日本消化器がん検診学会
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