日本消化器がん検診学会雑誌
Online ISSN : 2185-1190
Print ISSN : 1880-7666
ISSN-L : 1880-7666
症例シリーズ
任意型検診時の上部消化管内視鏡検査後に発症した一過性全健忘症例の検討
小林 美有貴高山 一郎高相 和彦大高 雅彦依田 芳起小林 史和榎本 信幸
著者情報
ジャーナル フリー

2025 年 63 巻 2 号 p. 112-119

詳細
抄録

【背景】一過性全健忘(TGA:transient global amnesia)は一過性の記憶障害を呈する症候群で, 上部消化管内視鏡検査(EGD:esophagogastroduodenoscopy)がその誘因になる。任意型検診で行ったEGDで発症したTGA例を報告した。

【対象と方法】対象は2005年1月~2009年12月に人間ドックでEGDを受けた延べ87,859例である。EGDは覚醒下に咽頭麻酔のみで先端径9mmのスコープを経口挿入して実施した。EGD関連TGAの特徴(頻度・年齢・性・基礎疾患・検査医の熟練度・検査時間・前向性健忘や逆向性健忘時間・予後)を検討し, 無作為抽出500例と比較検討した。

【結果】TGAは11例(0.0125%)認め, 平均年齢60.2(55-68)歳, 性別は男2名・女9名, 基礎疾患がある者は7例, 平均検査時間5分11秒(2-11分), 前向性健忘が約2.8(1-6)時間, 逆向性健忘が約2(1-4)時間であった。全例EGD前後の記憶消失は残存したが予後良好であった。対照と比べ平均年齢が高く女性と脂質異常症者に多かった。

【結語】EGD関連TGAは0.0125%で発症し, 中高年女性に多く, 症状は軽微で予後良好であった。

著者関連情報
© 2025 一般社団法人 日本消化器がん検診学会
前の記事 次の記事
feedback
Top