2026 年 64 巻 4 号 p. 717-726
対策型胃内視鏡検診は2016年に開始され,胃病変のみならず食道病変の早期発見にも寄与している。しかし,食道は嚥下の影響を受けやすく,特に非鎮静下での検査では患者の苦痛を伴うことがあるため,観察が軽視される傾向にある。
本論文では,アセトアルデヒド代謝に関連する食道扁平上皮癌のハイリスク症例の選別法や,内視鏡観察時における扁平上皮癌ハイリスク群の見極め方について論じ,効率的な食道内視鏡観察の手法を紹介する。さらに近年,ヘリコバクター・ピロリ菌の感染率低下に伴い増加傾向にあるバレット食道の疫学,観察方法,ならびにそこから発生する腺癌のハイリスク群における内視鏡的特徴についても概説する。また,稀ではあるが特徴的な所見を呈する食道病変についても触れ,内視鏡検診における食道観察の将来展望について考察する。