変形胃における前壁撮影のポイントを述べる。胃は可動性がある管腔臓器のため,様々な条件により位置や形,見た目が変わる。特に腹壁側への回転による胃上部の後屈の程度により描出範囲が変化することから,胃を体の側面から撮影した像(以下,側面像)の理解が撮影のポイントとなる。圧迫用フトンの効果は実際の側面像やCT画像の疑似的な側面像により確認できる。胃X線検査マニュアル2025改訂第3版では圧迫用フトンの使用法が詳細に示され,適切な使用により良好な前壁撮影が可能となる。側面像により腹臥位二重造影像や二重造影第Ⅱ法の成り立ちも理解しやすい。胃癌5症例のX線・切除標本・病理切片像の検討では,病変の特徴や凹凸像を現すバリウム付着良好な二重造影第Ⅰ法・第Ⅱ法および圧迫撮影を行うことにより詳細な読影が可能となる。