日本消化器がん検診学会雑誌
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人間ドックを契機に発見された膵頭部原発MiNENの1例
中岡 和徳橋本 千樹葛谷 貞二長坂 光夫舩坂 好平河邊 由佳髙原 武志宮原 良二須田 康一廣岡 芳樹
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論文ID: 22025

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抄録

症例は72歳, 男性。年に1度の人間ドックで施行した血液検査にてCA19-9が62.2U/mLと高値であったため, CT検査を行ったところ膵頭部に腫瘍を指摘され, 精査加療目的で当院紹介受診となった。腹部造影CT検査で膵頭部に21mm大の乏血性腫瘍を認め膵癌が疑われた。同部位に対して超音波内視鏡下穿刺吸引生検法を施行し, 腺癌と病理診断された。以上から膵頭部癌と診断し, 手術前化学療法施行後, 幽門輪温存膵頭十二指腸切除術を施行した。手術検体の病理組織学的所見では, Hematoxylin Eosin染色で低分化型腺癌成分に加え, 小型円形核, 淡明な胞体を有する異型に乏しい細胞が蜂巣状に増生しており, 免疫染色でsynaptophysin染色, chromogranin染色が共に陽性であったことから, 充実胞巣状構造の成分はneuroendocrine neoplasmと診断した。腺癌およびneuroendocrine neoplasmがそれぞれ30%以上存在していたことから膵頭部原発Mixed neuroendocrine-non-neuroendocrine neoplasmと最終診断された。

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© 2023 一般社団法人 日本消化器がん検診学会
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