論文ID: 22025
症例は72歳, 男性。年に1度の人間ドックで施行した血液検査にてCA19-9が62.2U/mLと高値であったため, CT検査を行ったところ膵頭部に腫瘍を指摘され, 精査加療目的で当院紹介受診となった。腹部造影CT検査で膵頭部に21mm大の乏血性腫瘍を認め膵癌が疑われた。同部位に対して超音波内視鏡下穿刺吸引生検法を施行し, 腺癌と病理診断された。以上から膵頭部癌と診断し, 手術前化学療法施行後, 幽門輪温存膵頭十二指腸切除術を施行した。手術検体の病理組織学的所見では, Hematoxylin Eosin染色で低分化型腺癌成分に加え, 小型円形核, 淡明な胞体を有する異型に乏しい細胞が蜂巣状に増生しており, 免疫染色でsynaptophysin染色, chromogranin染色が共に陽性であったことから, 充実胞巣状構造の成分はneuroendocrine neoplasmと診断した。腺癌およびneuroendocrine neoplasmがそれぞれ30%以上存在していたことから膵頭部原発Mixed neuroendocrine-non-neuroendocrine neoplasmと最終診断された。