論文ID: 24019
近年, 膵癌の危険因子や予後良好な膵癌の画像所見の検討が進み, 膵癌の早期発見が期待されている。現在, 膵癌に対する対策型検診はないが, 任意型検診で多くの受検者が腹部超音波検査を受ける機会がある。腹部超音波検診判定マニュアルは, 施設較差のない, 統一された基準での病変拾い上げを目的に作成され, 検診機関や医療機関に普及してきている。このマニュアルでは, 膵腫瘍のみならず, 膵癌高危険群の拾い上げも考慮されている。これを有効利用するためには, 膵実質の認識, 病変の的確な読影, 見落としやすい部位を意識した操作, 膵描出範囲拡大のための体位変換が必要である。