小学校理科における「対話的な学び」から「主体的な学び」の個人内への移行に関する研究

抄録

本研究では，「対話的な学び」から「主体的な学び」の個人内への移行の実態を明らかにすることを目的として，小学校第5学年の「振り子の運動」の事例的分析を行った．「対話的な学び」から「主体的な学び」の個人内への移行を見とる視点として， Tharp＆Gallimore（1988）が提唱した「パフォーマンス能力の創造：ZPDの進展とその後の発展」モデルに着目し，学習が進む中で，「対話的な学び」に位置づくステージから，「主体的な学び」に位置づくステージへの移行の実態を分析した．結果として，「対話的な学び」と「主体的な学び」のステージを複数回行き来する中で，「主体的な学び」への個人内の移行が促進される実態が明らかになった．