消化器集団検診
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山口県における胃がん検診の精度に関する検討
とくに偽陰性進行がんを中心に
河村 奨稲本 善人有山 重美田辺 満彦相部 剛篠山 哲郎富士 匡平田 牧三中田 太志中村 克衛藤本 茂博岡沢 寛
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1998 年 36 巻 3 号 p. 207-214

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抄録
山口県では昭和47年から間接撮影による胃がん検診が開始され, それを補完するものとして昭和61年から主に市部において直接撮影が導入され今日に至っている。受診率の伸びは約5%に過ぎないが, 直接撮影の占める割合は約30%となっている。今回は県下の胃集検の精度を, 要精検率, 精検受診率, 胃がん発見率, 早期がん比率, 精検受診者中の胃がん発見率等を全国集計成績と対比し検討を行い, 全国平均を上回る精度と判断された。一方偽陰性症例からの胃集検精度の検討として, 逐年発見進行胃がんを, 平成6年・7年度で検討を行ってみた。逐年発見進行胃がんは, その年度の全進行胃がん中, 平成6年度間接撮影26.7%, 直接撮影11.5%, 平成7年度間接撮影26.5%, 直接撮影18.4%であった。その見直し診断可能症例間接撮影17例では読影に問題あり64.7%, 撮影に問題ありは35.3%, 直接撮影10例では70%と30%であった。その対策としては, 高濃度少量バリウム使用, 前壁撮影を含めた二重造影撮影中心の早期類似進行がん粘膜像の描出にあると考えられた。
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© 日本消化器がん検診学会
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