我々の提唱した『たてよこ比』1) は主観の入りにくい定量的胃形分類法であり, いわゆる前壁二重造影の成績と高い相関を持つ。成績の悪いI型等の短胃は男性, 長胃のIII型は女性に多い1) 。短胃は, いわゆる『前壁二重造影』において胃角を正面に描写できず, 前壁を正確に表現できない。描写面積が狭く, 付着も悪く, 圧迫撮影で補うのも困難である。しかし, 検査初期までに胃形を推定できれば, 成績の低下をある程度カバーできる。具体的には造影剤量を調節して薄層法を行うこと, また, ルーチン検査の他の体位を生かすなどの方法があるが, 技術的に検討の余地を残す。