抄録
間接胃集検フィルムの示現能について発見胃癌142例について, 質的診断可能, 何らかの病変存在可能, 病変を指摘できないの3群に分け, それぞれ早期癌で29.4%, 31.8%, 38.8%, 進行癌で70.6%, 8.3%, 11.1%であった。またチェックのきっかけとしては病変を的確に捉えた直接所見より, 癌の変化による間接所見チェックが重要で早期癌で60%, 進行癌では90%にみられ, 胃角の変形, 辺縁不整・硬化, 対向彎入や前庭部充盈不良などの所見が主なものであった。
また遡及的検討から1年前, 2年前のフィルムに早期癌で31.4%, 進行癌で35.0%に描出されており, 読影能の低下が考えられた。したがってこれら間接フィルムの特徴に慣れた読影能を身につける事が必要である。