日本消化器集団検診学会雑誌
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血清ペプシノゲン測定 (PG) 法によるPG陰性者の胃集団検診受診間隔について
由良 明彦高橋 一江飯島 位夫関根 昌子赤座 協矢島 美智子安藤 幸彦
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2000 年 38 巻 4 号 p. 496-502

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抄録
東京逓信病院健康管理センターでは, 職域集団検診 (胃集検) の一次スクリーニング検査として間接X線撮影法 (間接X線法) に血清ペプシノゲン測定法 (PG法)(cut off値: PGI≦70ng/mlかつPGI/II比≦3.0) を同時併用にて実施している。本研究では, 過去6年間における当職域胃集検の成績をまとめ, さらに複数回受診者を対象にPG陰性者 (疑陽性者を含む) に対する胃集検の受診間隔について検討した。
胃集検による要精検者数は延べ2,014名であり, 実際に胃内視鏡の精検受診者総数は延べ1,843名であった。このうち胃癌発見の総計は17例, 血清PG値はPG I 47.8±32.3ng/ml, PG I/II比2.0±0.7 (平均値±標準偏差) であった。また, 受診間隔の年間別にて1~4年間では全体の58.7~72.7%, 5~6年間では49.3~50.0%が各々PG陰性のまま不変と判定された。
以上のことから, PG法は胃集検の一次スクリーニング検査として間接X線法を補完することが出来る検査法であると判断された。また, PG陰性者の受診間隔は5年間が妥当であると推測された。
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