抄録
血清ペプシノゲン法 (以下PG法) の胃集検への組み入れ方を検討するにあたり, 間接X線検査法 (以下間接法) での胃癌拾い上げの問題点やPG法での胃癌拾い上げの精度などを知ることを目的とした。検討方法は無作為に選び出した50歳以上の男性の地域間接受診者4,151例全例に, 間接法, PG法に加え内視鏡までの検査を行った。この検討からPG法は間接法より早期胃癌の拾い上げ胃癌発見率で勝っていたが, 進行胃癌の拾い上げでは間接法より劣ると推定された。この結果からPG法の胃集検への組み入れ方として, 胃集検の1次スクリーニング検査はPG法で行い, 陽性者は内視鏡の管理検診とし早期胃癌を効率的に拾い上げる。PG陰性者には2次スクリーニング検査として間接法を行ないPG法で拾い上げられない一部の進行胃癌を確実に拾い上げるようにするのが, 間接法, PG法両法の長所を生かし, 胃癌発見成績を向上させるための有用な方法と考える。