日本消化器集団検診学会雑誌
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人間ドックのHelicobaeter pylori(H. pylori)感染診断に対する13C-尿素呼気試験法の検討
とくに血清H. pylori抗体との関連について
芳賀 とし大類 方巳渡辺 菜穂美寺野 彰
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2000 年 38 巻 4 号 p. 510-514

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抄録
1997年11月から1998年2月までに, 検査に対する十分な説明と文書による同意の得られた当科の人間ドック受診者83名 (男性75名, 女性8名), 平均年齢493歳を対象として, 13C標識尿素100mg服用による13C尿素呼気試験 (13C-UBT)を施行し, 同時に血清H.pylori抗体 (IgG抗体) を測定して検討した。血清同抗体 (+) は48例 (58%), 同抗体 (±) 5例 (6%), 同抗体 (-) 30例 (36%) であった。13GUBT値 (Δ±C値) は, 血清同抗体 (+) 例では同抗体 (-) 例と比較して, 15分値と20分値とも有意に高かった。さらに同抗体 (+) 例では, Δ13C値の15分値と20分値はほぼ同等値を有し, 呼気採取時間は15分後, 20分後のどちらでも可能と考えられた。Δ13C値陽性を2.5‰以上とすると, 同抗体 (+) 例では, 陽性者は15分値, 20分値とも45/48例 (93.8%) であった。人間ドックの無症状例でも, 同抗体 (+) 例の多くが, H.pyloriの既往感染ではなく, 現在も感染している可能性が示唆された。
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© 日本消化器がん検診学会
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