日本消化器集団検診学会雑誌
Online ISSN : 2186-7321
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内視鏡的に2年4ヶ月の経過を観察しえた大腸癌の1例
佐々木 清寿引地 勲神谷 亮一工藤 俊雄狩野 敦
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キーワード: 大腸癌, 発育経過, 内視鏡的
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2000 年 38 巻 4 号 p. 542-545

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抄録
症例は68歳男性。当院健診科でのシグモイドスコピーで直腸前壁にIsp型隆起性病変を指摘され, 精査を勧められるも放置。2年4ヶ月後に再び当院健診科を受診。同部位に1型進行癌を認め, 当院外科にて直腸切除, 人工肛門造設術を施行。切除標本では25×25mm, 1型進行癌, 中分化腺癌, 深達度a1, ly1, v1であった。
大腸腫瘍の自然史を知るうえで最も重要な情報をもたらしてくれるのが, prospective studyである。しかし, これはいうまでもなく症例選択の難しさや, 倫理的問題がある。この症例は患者の精査拒否という背景があり, 偶然の観察機会を得た。また, 内視鏡的にその発育経過を観察できた貴重な症例であった。
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