2002 年 40 巻 3 号 p. 255-260
各種の免疫便潜血検査試薬の中から, 我が国の大腸がん検診でよく使用されているRPHA法のイムディア-HemSP, LA法のOCヘモディア, 金コロイド法のLタイプIGオートHemの3種類を選んで, 疑似便でのヘモグロビン検出感度を比較検討した。その結果, イムディア-HemSPのヘモグロビン検出感度限界域が15μgHb/g疑似便, OCヘモディアが30~40μgHb/g疑似便であり, LタイプIGオートHemでは25~35μgHb/g疑似便であった。また, 定量法であるOCヘモディアとLタイプIGオート Hemについて, カットオフ値を取扱説明書やメーカーの推奨する値 (双方とも100ng/ml) より低値に変化させてヘモグロビン検出感度を調べ, その時のカットオフ値の実用性についても検討した。その結果, OCヘモディアでは25ng/ml, LタイプIGオートHemで10ng/mlのカットオフ値では実用性がある結果となった。
その時のヘモグロビン検出感度限界域はそれぞれ10~15μgHb/g疑似便, 7.5~10μgHb/g疑似便であった。