日本消化器集団検診学会雑誌
Online ISSN : 2186-7321
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間接撮影の向上をめざして
透視観察の重要性について
手林 明雄吉田 裕司
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キーワード: 透視観察, 精度, 標準撮影法
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2002 年 40 巻 3 号 p. 274-281

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抄録
間接X線写真の精度は胃集検全体の精度に大きな影響を及ぼす。そこで間接X線写真の精度に影響を及ぼす因子のなかから, 撮影者である技師の病変に対する認識度が描出能に及ぼす影響を間接写真の再読影から検討した。その結果進行癌は標準撮影法といった定型の撮影でも病変の多くは描出されると考えられた。一方早期癌は定型の撮影では無示現率は高くなると思われた。しかしながら早期癌でも病変を認識して撮影した場合は癌の型に関係なく良好に描出することが出来ていて, 撮影に注意をはかれば無示現率を下げることも可能と考えられた。以上より間接X線の診断能の向上には技師が病変を撮影中に認識することが重要であると思われた。そして病変を確実に認識するためにはよい透視装置や微細な変化も描出出来る高濃度バリウムなどの整備も必要であると考えられた。
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