日本消化器集団検診学会雑誌
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ペプシノゲン法に併用する間接胃X線撮影法と読影法の検討
渋谷 大助野口 哲也今野 豊島田 剛延
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2002 年 40 巻 5 号 p. 416-423

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抄録

地域住民を対象とした胃の集団検診を実施するにあたり, 感度・特異度に留意したペプシノゲン法との併用に適切な間接X線の撮影法と読影法について検討した。
進行胃がんのスクリーニングにはバリウム濃度や撮影法には差はなく, 撮影枚数も5~6枚で可能であるが, 早期胃がんのスクリーニングや特異度に留意すると, 高濃度バリウムを使用した二重造影主体の新撮影法による従来どおりの7枚法にて撮影し, 読影法はU・L領域は不確実所見も, M領域は確実所見と“未検にしてはいけない症例”のみを要精検とする。その場合, M領域は直接所見では隆起, 輪状陰影, 粘膜集中像, 大きなバリウム班, 間接所見では明らかな辺縁不整, 硬化, 変形に注意する。要精検率は2.9~5.8%になると予想され, 適切なカットオフ値に設定したPG法との併用により, 容認できる感度・特異度, 要精検率になると考えられる。

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