日本消化器集団検診学会雑誌
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高濃度バリウム・二重造影単独撮影法による胃集検効率化の可能性
鈴木 康雄仲野 悦徳松浦 邦彦
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2003 年 41 巻 2 号 p. 144-149

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抄録
釧路がん検診センターでは平成12年度より高濃度バリウム180w/v%, 110mlを使用した二重造影像単独法 (新撮影法) にて検診を実施している。そこで今回, 新撮影法による胃集検効率化の可能性を評価する目的で, 中濃度バリウム130w/v%, 150mlを使用した従来法と比較検討した結果, 従来法では要精検率10.57%, 癌発見率0.14%, 陽性反応的中度1.32%に対し, 新撮影法では要精検率8.07%, 癌発見率0.15%, 陽性反応的中度1.86%であった。さらに新撮影法で要精検率が低下した要因について両群を比較した結果, 要精検所見における直接所見の割合, 有所見率, 早期がん比率共に新撮影法群の方が高かった。
以上より, 高濃度バリウムを使用した二重造影像単独の新撮影法は陽性反応的中度の向上や早期がん比率の向上等の要因により胃集検の効率化に寄与できることが示唆された。
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