2003 年 41 巻 2 号 p. 150-155
胃集検で普及の著しい高濃度低粘性造影剤は, 検診成績、検診精度の向上に寄与している。我々は地域住民検診, 職域検診にこの種の造影剤の濃度と使用量を変えて使用した。調査結果を受診者全体で見ると, 一連の検査全体の印象, 付着, 造影面積, 流出障害の各項目に於いて高濃度の成績が良好である。年齢別に成績をみると, 高齢層に流出が多いなど成績の劣る傾向があり, 若年層で付着が勝る傾向があるにも関わらず, 少量使用における全体の印象は, 若年層で劣っている。少量では粘液残渣を洗い流せないためと思われ, 少量使用には問題の多いことが分かった。