抄録
人口の高齢化が進むなか, 胃集検においても高齢者の位置づけを見直す必要がある。今回我々は, 高齢者の胃集検成績を分析し, その現況と問題点から今後の方向性について検討した。その結果, 高齢者は胃癌の高危険群であり, 胃集検において70歳代までは比較的効率よく早期癌を発見できるものと考えられた。発見された早期癌の特徴や高齢者の受診歴の動向からみると, 今後もEMRによる治療が増加するものと予想された。進行癌についても近年の胃癌治療の進歩により, 非高齢者同様の治療方法が選択される傾向を認めた。しかし高齢者の胃癌死亡率はまだ高く, 集検未受診者への受診勧奨や内視鏡検診の導入を検討することが重要である。また, これからは高齢者個々のニーズに応じた検診システムを構築することが肝要と考えられた。