日本消化器がん検診学会雑誌
Online ISSN : 2185-1190
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教育講演
肥満と発がんリスクとの関連
辻 一郎
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キーワード: 肥満, がん, 疫学
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2010 年 48 巻 2 号 p. 199-207

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抄録
肥満は様々な部位のがんリスク上昇と関連している。世界がん研究基金とアメリカがん研究協会の2007年レビューでは, 食道がん(腺がん), 膵臓がん, 結腸直腸がん, 乳がん(閉経後), 子宮内膜がん, 腎臓がんでは, 肥満がconvincing increased riskとされた。著者らのコホート研究(40~98歳の男女27,539名に生活習慣などを調査し, その後のがん罹患を9年間調査)では, Body Mass Index(BMI)とともに全がん罹患リスクが上昇し, それは女性で統計学的に有意であった。女性では, 結腸直腸がん, 胆のうがん, 乳がん(閉経後), そして子宮内膜がんで, BMIレベルとの間に有意な関連が認められた。肥満が発がんリスクを高めるメカニズムとして, インスリン抵抗性(高インスリン血症)が最も有力視されている。体重が減少した者では乳がんと結腸がんのリスクが低下したことが, 最近の米国のコホート研究で報告されている。
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© 2010 一般社団法人 日本消化器がん検診学会
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