日本消化器集団検診学会雑誌
免疫学的便潜血定量値からみた大腸癌危険群
魚谷 知佳村 俊成
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41 巻 (2003) 6 号 p. 588-597

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抄録

大腸癌検診における免疫学的便潜血反応検査の有効性はほぼ確立し, 地域および職域検診に定着してきている。しかし精検受診率の低いことは問題であり, 特に職域検診ではその傾向が顕著である。われわれは職域検診の精検受診率の向上を目指し, 受診勧奨すべき大腸癌危険群を免疫学的便潜血定量値より検討した。平成11年度から13年度までの当施設の大腸癌検診受診者73,955人を対象に検討したところ, 進行癌症例の52%, 早期癌 (sm癌) 症例の54%が免疫学的便潜血定量 (2日法) の合計値が 1500ng/ml以上を示し, 早期癌 (m癌) 症例やその他の良性疾患と有意差を認めた (p<.05)。また便潜血定量合計値が1500ng/ml以上では, 大腸癌の陽性反応的中率は11.7%であった。大腸癌発見率は男性では女性の1.5倍高く, 45才から増加傾向を示したが, 職域検診での精検受診率は60歳を越すまでほとんど増加していなかった。以上より, 要精検者のうち45才以上, 免疫学的便潜血定量 (2日法) の合計値が1500ng/ml以上の症例を大腸癌危険群と考え, この危険群に対し平成15年度より職域検診において新たに積極的な受診勧奨を試みている。

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