日本消化器集団検診学会雑誌
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【原著】腹部超音波による脂肪肝と代謝性症候群およびインスリン抵抗性の関連について
大月 和宣
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2004 年 42 巻 3 号 p. 346-351

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抄録

超音波診断による脂肪肝 (FL群94例) と代謝性症候群およびインスリン抵抗性の関連について正常肝 (N群319例) と比較検討した。FL群男性では空腹時血糖 (p<0.0001), 中性脂肪 (p<0.0001), LDL-コレステロール (p<0.0001), 拡張期血圧 (p=0.018) が有意に高値で, HDL-コレステロールは有意に低値を示し, 女性では中性脂肪 (p<0.0001) が有意に高値で, HDL-コレステロール (p<0.05) は有意に低値を示した。HOMA-IRは, 男性FL群21±1.0, N群平均1.2±0.1 (p<0.0001), 女性FL群平均1.6±0.9, N群平均1.1±0.5 (p=0008) とFL群で高値であった。インスリン抵抗性の割合は男性FL群30%, N群4% (p<0,0001), 女性FL群18%, N群1% (P=0.01) とFL群は高率であった。腹部超音波による脂肪肝はインスリン抵抗性お有することもあり代謝性症候群と密接な関連があると考えられた。

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