抄録
昭和63年から平成12年までの集団検診発見報告大腸癌は972例で, 発見率は0.12% (男性0.15%, 女性0.09%) であった。平成11年までの病理学的に確定された癌749例中の早期癌は58.6%で, 内視鏡的切除は全発見癌の36.4%に施行されていた。最近4年間の発見大腸癌293例において担癌病変のサイズと深達度, 更に早期癌180例の担癌病変のサイズと亜分類との関係を検討した結果, 大腸に多数存在する5mm以下の純隆起性病変は内視鏡的切除の積極的対象にはしなくて良いものと思われる。他因死を除いた大腸癌再発に死因を限ると, 5年生存率は926%, 10年生存率は88.4%と良好であった。昭和63年度から平成8年度までに発見された大腸癌513例について, Kaplan-Meier法で解析した深達度別生存曲線と各深達度問の検討では, sm, mp, ss, seもしくはa間では生存率に有意差を認めたが (p<0.05), mとsm間では有意差を認めなかった(p>0.05)。