日本消化器集団検診学会雑誌
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消化器がん検診における一次予防
食生活診断・指導システムについて
小林 正夫冨田 照見三崎 文夫宮永 實
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2004 年 42 巻 6 号 p. 585-592

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抄録

現在の癌検診は二次予防に重点がおかれ, 一次予防の観点からのアプローチが少ないという状況がある。当センターの人間ドックにおける食生活診断・指導システムでは, 全受診者に送付した健康調査票を4つの分野 (A: 生活環境に関する項目, B: 食品の摂取頻度に関する項目, C: 食生活及び食習慣に関する項目, D: 本人と家族の既往歴に関する項目) に分けて解析することで, 食生活について 5つの観点 (1. 食品のとり方, 2. 朝食のとり方, 3. 食塩のとり方, 4. 野菜のとり方, 5. 食生活への心配り) から診断し, 指導を行っている。受診者が検診を契機に食生活を見直し, 生活改善の機会を得ることは生活習慣病予防やがんの予防の観点からも重要である。検診受診勧奨による二次予防も重要であるが, 健康調査票などを用いた詳しい問診により受診者の食生活や運動などの生活習慣を正しく把握し, その是正を積極的に勧めることががんの一次予防につながると考えられる。

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