抄録
職域検診における脂肪肝の有所見率および脂肪肝の有無と検診データとの関連について検討し, 脂肪肝発症の予測因子についても検討した。脂肪肝の有所見率は平成7年の24.3%から平成14年には 27.5%に上昇し, 非脂肪肝例の11.4%が脂肪肝を発症した。脂肪肝例では, 肝機能や生活習慣病の各危険因子の検査値や有所見率が高かった。7年間で新たに脂肪肝を発症した群では, 発症前よりBMI, ALT, 収縮期血圧, TC, TGの値と有所見者の比率が有意に高く, これらの患者では脂肪肝の発症に注意が必要と考えられた。