日本消化器集団検診学会雑誌
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経鼻内視鏡検査による上部消化管検診の受容性に関する検討
伊藤 高広松尾 祥弘吉川 公彦中西 攝子佐谷 徹廣橋 伸治浅川 勇雄玉本 哲郎高橋 仁志吉村 均斎藤 弥穂平井 都始子藤井 久男大石 元宮脇 哲丸
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2005 年 43 巻 1 号 p. 20-27

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抄録

苦痛のない上部消化管検診法として経鼻内視鏡検査が普及しつつある。今回われわれは逐年検診受診者に対しこの手法を導入し, 38名の受診者に対してアンケートを実施し, その評価について検討した。結果1) 検査前は経鼻内視鏡検査に対し, 不安とともに高い期待を持たれていた。2) 検査時約4 割に鼻腔痛がみられたが我慢できないとするものはなかった。3) 咽頭反射の軽減により苦痛緩和につき高い支持が得られた。4) 次回内視鏡検査について従来の経口法2.6%に対し, 842%が経鼻法を希望した。5) 今後の検診法について, 57.9%が経鼻内視鏡のみでの検診を希望し, 経口内視鏡・X線検査の組み合わせを希望するものは皆無であった。以上より, 今後診断能についての詳細な評価を明らかにする必要があるが, 検診法のオプションとして受診者に経鼻内視鏡検査法の存在を提示していく必要があると考えられた。

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