日本消化器集団検診学会雑誌
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国立大学における間接胃X線読影医養成の現状について
緒方 一朗土亀 直俊満崎 克彦浦田 譲治西 潤子西東 龍一中村 郁夫加古 博史
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2005 年 43 巻 2 号 p. 214-218

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抄録
全国的に間接胃X線読影医の質の低下と人材不足が問題となっている。熊本大学放射線科での読影は5年目以上の医師が担当, 全て10年目以上の経験を積んだ医師とのダブルチェックで行い, また定期的な症例検討を中心に読影力向上を計っている。現在の胃X線読影体制と読影医養成の現状を評価するため, 間接胃X線の読影経験年数別に8名の医師に間接胃X線読影試験を受けてもらった。試験結果は読影経験年数順に成績がよく, 読影経験10年目以上の者でも一定のレベルに到達していないことが示唆された。日常診療で胃X線の撮影や読影の機会が乏しい現在, 予想以上に読影力を向上させることが困難な状況であることがうかがえる。現行の当科の胃X線読影体制と読影医養成状況では検診結果への影響が無いとは言い切れず, より早急に読影力の向上が可能となる読影体制の整備と環境が必要と思われる。
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