バイオメカニズム学会誌
Print ISSN : 0285-0885
研究
主成分分析に基づく優れた長距離ランナーの運動学的特徴とleg stiffnessの関係
村澤 智啓小林 吉之小関 道彦
著者情報
ジャーナル フリー

2022 年 46 巻 3 号 p. 176-184

詳細
抄録
ランニング中の大きな leg stiffnessは優れた長距離走パフォーマンスに関連づけられるが,大きな leg stiffnessに関連づけられる運動学的特徴は十分明らかにされていない.そこで本研究では, 14名の優れた長距離ランナーを含む 28名の実験参加者の,ランニングにおける運動学的変数に対し主成分分析を行い,優れた長距離ランナーの運動学的特徴を記述する主成分と leg stiffnessの間の関係を調べた.その結果,第 1主成分のみが優れた長距離ランナー群で有意に大きく( p ‹ 0.01),かつ leg stiffnessと有意に相関する( r = 0.77, p ‹ 0.01)ことが明らかになった.この主成分は,立脚期における,小さな骨盤下降変位や小さい膝関節の屈曲運動範囲など,大きな leg stiffnessに関係する HRの運動学的特徴を記述していた.
著者関連情報
前の記事 次の記事
feedback
Top