日本消化器集団検診学会雑誌
Online ISSN : 2186-7321
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住民検診における新胃撮影法の問題点
アンケート調査から
清水 建策松永 尚文河村 奨田中 信之河上 康彦國弘 佳枝
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2005 年 43 巻 3 号 p. 311-317

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抄録
我々は高齢者の多い住民検診において高濃度バリウムを用いた新撮影法が容易に実施できるかどうかを検証するため, 平成15年度にN市住民833名を対象に新撮影法を試み, 受診者にアンケート調査を行った。アンケートの回収率は76.8% (640名) で, 内訳は70歳未満が372名, 70歳以上が268名であった。体位変換は70歳未満の受診者の86% (318名) が「簡単だった」あるいは「なんとか回れた」と答えたのに対し, 70歳以上では36% (97名) の受診者が「とてもきつくて回れない」と回答した。逆傾斜は9割以上の受診者が「楽にできた」あるいは「何とかできた」と回答した。高濃度バリウムは「飲みやすい」と答えた受診者が多い反面, 誤嚥の発生頻度 (0.6%) は従来法が施行された他地域での誤嚥率 (0.04%) と比べ, 明らかな上昇がみられ, 今後, 誤嚥の予防と対策が必要と思われた。
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