日本消化器集団検診学会雑誌
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胃集検発見癌から見た間接撮影法の再検討-充盈像の必要性について-
緒方 一朗土亀 直俊工藤 康一満崎 克彦浦田 譲治西 潤子西東 龍一中村 郁夫加古 博史
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キーワード: 間接胃集検, 撮影法
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2005 年 43 巻 4 号 p. 407-414

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抄録

日本消化器集団検診学会の提唱する従来法・変法では立位または腹臥位の充盈像が残されているが, 新基準案は二重造影像主体の撮影法が特色であり, 新・撮影法では二重造影像のみとなっている。充盈像はこれまでの検診でどのような役割を担っていたのであろうか。熊本県成人病予防協会における平成10-12年度発見癌172例がどのような撮影体位でチェックされ要精検に至ったかを検索すると同時に, フィルムの見直しを行い, 充盈像の役割について言及した。その結果, 立位充盈像は高頻度にチェックされている体位であることが判明し, 充盈像を単独でチェックした中から多くの癌が発見されていた。フィルムの見直しでも充盈像以外に癌の描出が見られなかった症例が多数存在した。充盈像は二重造影像に比し, 低い陽性反応的中率が問題であるが, 現時点で間接胃集検から充盈像を省くということは見逃し例を増加させる大きなリスクを伴う可能性がある。

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