日本消化器集団検診学会雑誌
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大腸がん検診受診率の調査
武田 葉子島田 剛延相田 重光加藤 勝章渋谷 大助
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2005 年 43 巻 5 号 p. 509-519

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抄録

わが国では施策としてがん検診が行われているが, その実施主体は地方自治体や事業者など様々で, その結果, がん検診受診率は十分には把握されていない。がん検診の受診状況について理解を深めるため, 全世帯調査に対して高い回答率が得られた一市一町の成績をもとに, 2003年度の大腸がん検診受診率を検討した。地域集検受診割合 (地域集検受診者÷全住民) はそれぞれ16.3%・28.9%, 地域集検を対象とした受診率 (職場で検診を受ける人などを検診対象者から除外) はそれぞれ278%・57.7%, 全住民における全検診受診率 (地域集検受診者と職場などで検診を受ける予定と回答した人÷全住民) はそれぞれ56.5%・45.6%であった。職域における検診受診は都市部だけでなく農村部にも多く, 特に 40歳から64歳まではかなり影響を与えていると思われた。検診受診率の検討に際しては, 職域など地域以外の検診まで含めて考えていくことがやはり重要と思われた。

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