日本消化器がん検診学会雑誌
Online ISSN : 2185-1190
Print ISSN : 1880-7666
ISSN-L : 1880-7666
上部消化管内視鏡検診の現状および受診者側の期待度
内視鏡検診の標準的方法の策定に向けて
日山 亨吉原 正治田中 信治伊藤 公訓茶山 一彰
著者情報
ジャーナル フリー

2006 年 44 巻 4 号 p. 406-416

詳細
抄録

上部消化管内視鏡検診の標準的方法の作成に向けて, 上部消化管内視鏡検診の実態ならびに受診者側の内視鏡検診に対する期待度について, アンケート調査を行った。対象は, 任意に選んだ広島県内の医師71人およびコメディカルスタッフ55人, 非医療従事者50人である。内視鏡検診の目的を, 「内視鏡治療により治癒できる早期胃癌の発見」とした者が, 医師, 非医療従事者, コメディカルスタッフいずれも3人に2人以上と多数を占めた。また, 受診者側が内視鏡検診に一一番に望むことは, 「検査を楽に」ということであった。しかし, 非医療従事者とともにコメディカルスタッフも, 内視鏡の診断能や偶発症などについて十分に理解しているとは言えず, 内視鏡検診に関して更なる教育啓蒙活動が必要と考えられた。今後, 内視鏡検診の実態と受診者側の期待を踏まえ, コンセンサスが得られる内視鏡検診の標準的方法を確立していく必要がある。

著者関連情報
© 社団法人 日本消化器がん検診学会
前の記事 次の記事
feedback
Top