日本遺伝子診療学会誌
Online ISSN : 2759-6060
解説
小児がんゲノム医療の課題とその解決にむけて
加藤 元博
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2026 年 4 巻 1 号 p. 1-3

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抄録

がんゲノム医療提供体制の整備により、100遺伝子超を一括で解析する包括的ゲノムプロファイリング検査(パネル検査)が保険診療のもとで実施できるようになり、小児・希少がんでも広く利用されている。小児がんは変異数が少なく、少数のドライバー異常が臨床像を規定しやすいため、治療標的の探索に加え、特に融合遺伝子など構造異常による診断の補助や予後予測の臨床的意義が大きい。実際に、パネル検査の意義と実行可能性を確認するために実施した臨床研究JCCG-TOP2でも多くの患者で臨床的に有用な所見が得られている。また、小児がん罹患者では一定の割合で発症にかかわる遺伝的な背景(cancer predisposition)が示唆される所見がえられることからも、二次的所見を健康管理に活用しつつ心理社会面に配慮した支援が必要である。また、造血器腫瘍を他しようとしたパネル検査も開発され、実装が進んでいる。小児がんに対するゲノム医療をさらに発展させるための課題として、薬剤アクセスの改善や進歩する解析技術の導入があげられる。情報の集約と利活用を通じて入口(検査開発)と出口(治療開発)を同時に整備しながら、臨床と研究開発を往復させる実装科学として小児がんゲノム医療を発展させていくことが期待される。

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