日本遺伝子診療学会誌
Online ISSN : 2759-6060
総説
保険診療マイクロアレイ染色体検査における臨床実践
清水 健司
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2026 年 4 巻 1 号 p. 31-38

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抄録

マイクロアレイ染色体検査は、現在の我が国の保険診療において、先天異常・発達遅滞の遺伝学的原因を調べる解析手法として網羅性と解像度を担保した包括的な遺伝学的検査の1つである。実施運用にあたっては、一連の臨床フローの体制整備が必要であり、遺伝専門医を含むチーム医療が求められる。この中で、遺伝医療の専門性を要する核となる作業は、検出されたコピー数バリアント(CNV: Copy Number Variant)への対処である。検出CNVにおいては、ガイドラインや遺伝医学的知見に基づいた「病原性の分類」を行い、当該患者の表現型にどのように影響しているかについて「臨床的解釈」を行い「包括的診断」へつなげることが重要である。また、低頻度ではあるが時に検出される有意なコピー数不変ホモ接合領域(ROH: Region Of Homozygosity)は、直接的な病原性分類を行う性質ではなく、その発症メカニズムを推測し想定される疾患との関連が疑われる場合、追加検査を施行することにより診断につながる場合がある。一方でこれらのCNVやROHの評価分類プロセスは提出医に委ねられているため、専門的技術の習得が重要となる。このため、学会ベースのハンズオンセミナーや講習会動画等でバリアント評価のトレーニングを行う機会を継続している。最終的に当該検査で得られた知見を活かしていくために、対象患者や家族に対して「臨床遺伝学的対応」を積極的に行う視点がとりわけ重要である。

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